GUNMA INNOVATION AWARD

講評とメッセージ

社会課題に具体策示す

講評

講評 慶應大学常任理事・総合政策学部教授
國領 二郎 氏

市場のニーズ、プレゼンテーション能力のいずれにおいても傑出した発表が多かった。聞いていて楽しく、決めるのがとても大変だった。
社会の課題として大きなものに取り組もうとしているのが入賞の一つのポイントだった。大賞の赤城深山ファームは農業再生という日本全体にとって大きなテーマで、具体的な取り組みを示したことが良かった。

共愛学園前橋国際大はシャッター商店街という大きな課題に具体的な解決策を示したことが評価された。BMZも製品やビジネスモデルの具体性が出ているところに好感を持てた。

O2Oapparelと勢多農林高は、群馬にとって夢を与えてくれるということが評価のポイントとなった。急きょ設けた審査委員特別賞の利根実高の発表では、アイス春巻きをぜひ食べてみたいと思った。

大きな可能性を感じながら惜しくも各部門の入賞に入れないものもあった。そういうところにはぜひ、審査員を見返してほしい。
いろいろな地域でこういう取り組みを拝見しているが、この群馬での取り組みは素晴らしい。これほど地域として組織的に協調しながらやっているのは、本当にすごい例だと思う。応募が倍ぐらいに増え、レベルも高まっている。みんなで群馬、日本を盛り上げていってほしい。


メッセージ

新モデル 世界へ発信
上毛新聞社 渡辺幸男社長
群馬イノベーションアワードは、起業家を発掘、支援し、育てる機運を醸成させようと始めた。2年目のことしは、昨年の57件を大きく上回る94件の応募があり、県民の熱い期待を感じる。
しかし、起業家を取り巻く環境は厳しい。日本のイノベーション活動は世界最下位の水準だ。人口減少が進む日本が将来にわたって成長力を維持するには、これまでにないビジネスを考案し、産業と暮らしのイノベーションを図る必要がある。
世界文化遺産に登録された富岡製糸場は優れた技術革新で近代化を支えた。経済大国日本を築き上げたイノベーションの発信地はここ群馬県だと言える。
明るい未来を夢見て、新たなビジネスモデルを世界に発信すべく、力を合わせよう。
伝えたい起業の魅力
ジェイアイエヌ 田中仁社長
いま、国を挙げて創業支援の機運が高まっている。私の思いはただ一つ。起業は本当に素晴らしいということを伝えたい。起業家はイノベーションを起こし、新しい製品やサービスを生み、お客さまを創造し、雇用を生み、税金を納め、社会に活力と安定を生み出す。

しかし、なぜか日本では起業を目指す人が少ない。大企業も、起業家が一歩を踏み出したことから始まった。起業という素晴らしい選択肢があることを、広く県民の皆さんに知ってほしいという思いから、この群馬イノベーションアワードを立ち上げた。群馬が起業で大きく盛り上がればいいと考えている。第2回を迎えられ、皆さんの協力に深く感謝する。
日本経済の担い手に
コシダカホールディングス 腰高博社長
大きな志に共鳴し、一緒にGIAに携わっている。
最近、地方創生と叫ばれているが、それをなすためには、助成金や補助金などに頼らない自立した経済が必要だ。そのために起業を盛んにして、イノベーションをどんどん起こし、地方の経済を元気にすることが大事だと常々思っている。

本日は素晴らしいプレゼンテーションがたくさんあり、楽しみにしている。皆さんも楽しみながら元気をもらい、日本経済の明日を担ってほしい。
一緒に躍動感体験を
相模屋食料 鳥越淳司社長
2年前にGIAの話をいただき、感銘を受け、共感し、この場にいる。
皆さんの中にも、起業やイノベーションはどこか他人事で、一部の人がやることだと思っている人が多いと思う。しかし、必死になってやれば誰でもイノベーションを起こせる。僕も私も絶対やれるんだということを発表すれば面白いと思う。

2回目となり、2次審査では格段にレベルアップしたプレゼンテーションが聞けた。私自身がわくわくするような体験をした。皆さんもしっかり聞いて、躍動感を一緒に味わってほしい。