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GIA GUNMA INNOVATION AWARD 2018 群馬イノベーションアワード大賞にビジネスプラン部門・一般の部 ARIGATO COMPANY福島直さん

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上毛新聞 GIA 2018 ファイナルステージ特集PDFダウンロード

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受賞者紹介

群馬イノベーションアワード2018大賞

COOMIRU(コーミル)で保育の先生たちに
真の子育て環境をつくり出す

ARIGATO COMPANY 福島 直さん

園児の健康 総合管理

「昨年観客席からファイナルを見ながら、次は自分が大賞を取ると心に決めていた。実現できてうれしい」。「ARIGATO COMPANY(アリガトウ・カンパニー)」(高崎市)社長の福島直さん(41)は達成感に満ちた顔で大賞の喜びをかみしめた。

情報通信技術(ICT)を活用し、保育園や幼稚園で過ごす子どもの健康状態を管理するシステム「COOMIRU(コーミル)」を提案した。園児を見守るサービスで園内の安全性を確保する。
子どもの腕に情報収集型のリストバンドを取り付け、位置や体温、脈拍といった体調に関するデータを総合的に管理する。異常を感知すると、迅速な警報で職員に知らせる。
園内には顔を認識できるカメラも設置。表情の分析や転倒の検知ができるほか、不審者の判別にも役立てる。スマートフォンのアプリなどを使い、保護者も自由に子どもの様子を把握できる。

2007年に起業し、保育園や幼稚園の建屋、遊具、家具の設計製作を手掛ける。その中で、子どもの命を預かる側の心理的負担の大きさを知った。 「保育現場にかかる命のプレッシャーを少しでも減らしたい」とビジネスプランを考えた。国内の未就学児600万人と、世界中の子ども6億7千万人を巻き込んだビジネスにつなげたい考えだ。

「この案を必ず実現させ、働きがいにあふれた保育の労働環境を整えたい」。壇上で語った言葉に気概が満ちていた。

入賞:ビジネスプラン部門  高校生の部

MR(複合現実)を用いた職場体験ビジネス

高崎高校2年 加部 隆太さん 吉岡 奨悟さん

MR活用し職場体験

高崎高2年の2人は、MR(複合現実)を利用した職場体験ビジネスを提案した。インターンシップ(就業体験)は時間や労力がかかるため、訪問企業が限られる。MR活用で劇的に体験先が増え、後悔しない就職活動ができるとアピールした。

体験者が掛けるゴーグルには職場での業務内容や雰囲気が映し出される。従業員とのコミュニケーションを人工知能(AI)で再現するため、より立体的な体験ができる。十分な情報収集は就職先とのミスマッチをなくし、早期離職も防げると強調した。

発表前の4日間はテストがあったため、最終確認は急ピッチだった。「実現すれば部活、課題と日々忙しい高校生の役に立てる」と夢を描く。

受賞時の写真

入賞:ビジネスプラン部門  大学生・専門学校生の部

アグリウム=アグリカルチャー×アクアリウム

中央農業大学校2年 武 彩伽さん

水族館型で農業PR

農業を専門に学ぶ中央農業大学校2年の武彩伽さん(23)は、農作物を水族館のような非日常空間で展示栽培するアミューズメントパーク「アグリウム」を提案し、入賞した。

農業を引っ張ってきた昭和世代が高齢化とともに引退していく。農業は食の問題に直結することから、明るい未来のために群馬の地から農業の格好良さ、楽しさを若い世代に発信したいと考えた。

「農業の楽しさを丸かじりできるアグリウムが地域の灯台となり、人と大地をつなげ、未来へ明かりをともす」と自信を持つ。

「目標をなくした18歳の時に出合い、携わりたいと思った農業。大好きな農業をテーマに夢を語った。選んでもらえてうれしい」と喜びを語った。

受賞時の写真

入賞:ビジネスプラン部門  一般の部

「Troubless」機器の経年劣化による故障を
未然に防ぐIoTシステム

三晃メンテクス 須永 光さん

AIで工場 故障予防

三晃メンテクス(前橋市)社長の須永光さん(33)は、生産ラインの故障を未然に防ぐIoTシステム「トラブレス」を提案した。

創業50年を越える同社の3代目で、工場の設備メンテナンスを手掛ける。中小工場では、生産が一時止まると大きな損害につながると説明する。故障を予知する仕組みが必要と考えた。

「トラブレス」は、工場内の機械に温度や音、振動を測定するチップを設置。人工知能(AI)が故障の可能性を診断するとタブレットに通知し、事前に修理できる。

中小企業向けに機能を抑え、低価格の導入を見込む。「受賞に背中を押された思い。安心の生産システムを必ずブランド化する」と決意を語った。

受賞時の写真

入賞:スタートアップ部門

「見た目」と「こころ」を回復するエピテーゼ

エピテみやび 田村 雅美さん

失った体の一部 再現

エピテみやび(甘楽町)代表の田村雅美さん(36)は、事故や病気などで体の一部を失った人に着脱可能な人工ボディー「エピテーゼ」を製作している。

乳がんで胸を失った友人と同じように悩む人たちを支えたいと思い、エピテーゼを作り始めた。心ない言葉や視線で人生の楽しみを奪われてしまわないように、一人一人に合わせて、ほくろや血管といった細かい部分まで再現する。

温泉宿やネイリストとも提携。前向きに生きられるように、おしゃれや入浴を楽しめる機会を提供し、心のケアにも取り組む。

「今回の入賞は多くの人に知ってもらえる機会となった。笑顔あふれるエピテーゼを群馬から発信したい」と声を弾ませた。

受賞時の写真

入賞:イノベーション部門

地域を紡ぐ鎮守の杜エリアイノベーション

山名八幡宮 高井 俊一郎さん

神社中心に地域再生

山名八幡宮(高崎市)の宮司、高井俊一郎さん(43)は、かつて地域コミュニティーを支えていた神社から、地域を再生する仕組みを発表した。

テーマは神社が持つ物語、文化や伝統などの地域の物語を大切にすること。境内にカフェやパン店を開業し、子育てする母親のよりどころとなった。

三が日の売り上げは上昇を続け、「神社に人が戻ってきた」と強調する。人が集まることで神社周辺に施設や店舗の進出が目立つようになり、神社を中心とした新しい経済圏が生まれたとみる。

「全国の神社に適用可能なモデル。神社から地方は再生できる」。入賞して自信をつけ、「来年からは全国の神社を行脚したい」と言葉に力を込めた。

受賞時の写真